その日は、日曜日だった。
早朝のウォーキングからの帰り(8時ぐらい)
珍しく朝早くから、マンションの前の青空ガレージで
車を洗車している女性がいた。
顔見知りの30半ばの女性だ。
小学生低学年の息子と幼稚園児の娘2人の母親だ。
洗車に一生懸命なのか、私に気付かない。
近くの自販機で、ミネラルウォーターを買って飲んでいると、
小学生の息子がマンションから出てきて
母親の横に立って話しかけた。
「ねぇ、パパはまだ寝てるけど、起こさなくていいの?」
母親は洗車の手を止めて、
「もうすぐ起きてきてくれるわよ。大丈夫。連れて行ってもらえるよ」と息子に言った。
息子は「約束だもんネ。○○公園だよネ」と、うれしそうに母親に近づいた。
その時、母親が私に気付いて、軽く会釈をして、
「おはようございます」と挨拶してくれた。

しかし、それから2時間ほどして、
コンビニへ行く為に、そのマンションの前を通った時、
ピカピカに磨かれたその車は、そのまま置いてあった。
そして、コンビニから帰ってきた時、
丁度その車が発進するところだった。
傍らに、奥さんと子供たちが立っていた。
息子と娘たちは泣いていた。
私は目で会釈しただけで通りすぎた。

それから数日たって、
いつも行く場末のレジャービルのスナックで、
そのご主人とあった。
目があったが相手は私に気付いていないようだった。
なぜなら、そのご主人とは話しをしたことがない。
私は一人だが、そのご主人は若い女性と2人で来ていた。
奥さんのように地味ではない、ハデな感じの女性だった。
かと言って水商売風でもない。、
飲んでいるうちに、2人の話しが聞こえてくる。
女性「ねぇ、今度はもっと早く来てよね」
ご主人「すまん、すまん」
女性「洗車なんかしなくてもいいのに、この人ったら、私と逢うのにワザワザ洗車してくるのよ」
と、カウンターの中のママに笑いながら言った。
ママ「そりゃ、美人と逢うためだから洗車ぐらいするわよねぇ」
と、ご主人の肩をもつ。
女性「初めてのデートじゃないのよ。毎週逢ってるのに、なんで
あの日に限って洗車なんかしてくるのよ。ハハハ・・・」

私のビールが、ぬるくなっていた。
「ママ、ビールおかわり!」と叫んだ。
そして、カラオケを要求した。
「裏切りの街角いれて!」と。

コメント

星のナズナ
星のナズナ
2008年6月25日0:35

ココロ痛みます

ここにコメントだったわ
今ごろ気づくなんて・・・^^

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