もっと、スマートに。
もっと、シンプルに。

思えば・・・、
私が落ち込んだのは、彼女の部屋を訪れた時からだった。
扉を開けた途端、別世界へ来たような明るさというか、
清潔感が漂っていた。
そんなに広くない玄関でも、ゆったりとお茶でも飲んで
話しこめそうな雰囲気がある。
ふと玄関の端っこに立ててあるキャディバッグに目をやると
「あれだけが、置くところがないのよ」と、
彼女は恥ずかしそうに弁解したほど落ち着いた空間だった。
廊下からリビングが垣間見れたが、その時点で、
リビングが輝いて見えた。
白を基調としたリビングは、
センスの良い高級な調度が控え目においてあり、
美しい花で飾られていた。
カウンター越しのキッチンは見事なぐらいに磨かれ整理され、
新築かと思えるほどである。
そう思って見てみると、すべてが新築、新品に見えた。
無駄がない空間なのに、広々としたゆとりを感じる。
ちりひとつ落ちていないのは当然だが、
悪く言えば、生活臭が感じられない。
セレブの映画のセットのようだ。
凄い!と思った。
無造作に冷蔵庫を開けてみた。
「むちゃくちゃ詰め込んであるだけだよ」と彼女は言った。
確かにビッシリ詰め込んであるが、大きな冷蔵庫の中は、
まるで収納の手本のように綺麗に並べてあった。
私の憧れる生活空間だった。

負けた。と思った。ついでに気おくれしてしまった。

それにしても、
私の家は、広さこそ負けてはいないが、
めちゃくちゃ物が多く、散らかっている。
片付けても、片付けても、片付かない。
とにかく、ごちゃごちゃと物が多いだけ。

なんなんだろう?と考えてみた。

私は豊かさを求めて、必要以上のものを
身の回りに置こうとする癖がある。
それがいけない。
豊かさは、物の多い少ないの量の問題じゃないのに。

そして私の描いた生活空間は・・・、
もう時代遅れになってきてしまっているのかも知れない。

一番の原因は、徹底してないことだ。
良いものは欲しいくせに、高価なものは控えてしまって
安物で代用する。
結局、それだけで満足せず、それを手に入れるまで
安物を買い続け、高価なものを一つ買ったのと同じ金額、
あるいは、それ以上の金を使ってしまう。
だから物があふれる。
で、あふれた物は、不用となっても、
もったいなくて捨てられず、邪魔になっているだけ。

それに、統一性がない。
なんでもかんでも、集めてしまう。
綺麗だから珍しいからと買い求めてしまう。
ひとつひとつ見れば、汚れたもの壊れたものなどは無いが、
いろんな色を混ぜこぜにして、汚い色にしてしまうのと
同じだ。

誰かが言ってた、「シンプル」にしなくちゃ。
「スマート」に生活しなくちゃ。
と思っているのに・・・・。

私の生活空間は、メタボよ。。
当然、カラダもメタボよ。。(T▽T)アハハ
なにか?

まぁ、所帯じみているといえば、それまでだが、
いつの頃からか、ダンディとジゴロの名は消え失せて
普通の、いや、それ以下のオッサンに落ちぶれている。

あの時から、落ち込んでいたような気がする。

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