日曜日の午後

2008年8月3日
午前中、町内のボランティア活動でひと汗もふた汗もかいて
帰ってきたが、家には誰もいない。
いつものことだ。
日曜日に限らず、平日でもたいてい私ひとりだから、
別に、どうってことはない。
シャワーを浴び、冷たいビールでゆっくりしているところに
電話が鳴った。
うっかり着信者名を見ずに出てしまった。
いや、ビールのせいか、あるいは、のんびりしていたからか、
着信者名を見るのと受話器を取るのが同時だったが、
女の名前だったので、思いだすのに時間がかかったのかも
知れない。
とにかく、迂闊にも確認をせず受話器を取ってしまった。
もちろんすぐ、しまったと思った。
例の女性だ!。
「奥さん、いますか?」
「いませんけど・・・」
「奥さん、まだ○○から帰ってないんですネ?」
「わかりませんけど・・・、そうかも知れません」
この女性、これで、ハイ、そうですか、と電話を切る人じゃない。
何のご用件ですか?なんて聞いたら大変なことになる。
いや、聞く必要なんかない。
黙っていたら、ペラペラ喋りはじめるので、
「すみません、今、お客さんがきているので、女房が帰ってきたら、電話があったことを伝えておきます」
と、言ったが、そんなことは、おかまい無しに喋り始めた。
「そうですか・・、私、昨夜変な寝かたを、したんですよね」
「・・・・・」
「それで、今朝起きてみたら、首が痛くて・・・・・・・・」
これからは、こちらが返事をしなくても勝手に喋るだろうと
思って、スピーカーに切り替えて受話器を降ろした。
この女性は、女房がカウンセリングを担当している精神病患者である。
私には関係ない。
喋らせておけば延々と喋る。
電話を強引に切っても、「なんで電話が切れたんですか?」と
また、かかってくるので、納得いくまで喋らすしかない。
電話に出なけりゃよかったんだけどネ(笑)
助かるのは、返事や相づちも要らない。
返事なんかしたら、喋る時間が余計に長くなる。
私は受話器を置いたまま、パソコンに電源を入れ、
ネットサーフィンをしていた。
言葉のBGMだと思えばいい。
トイレにも行った。
ビールを3本飲んだ。
電話のスピーカーからは、
グダグダと悩み事らしき言葉が聞こえる。
泣き声になる。
泣いている。
時々、無言になる。
そしてまた、喋りだす。
笑っている。
そして、無言になる。
この無言になる回数が増えてくると、
そろそろ終わる頃だ。
私は、4本めのビールを冷蔵庫から出す前に、
しばらく電話の内容を聞いて、
タイミングを見計らって、電話に出た。
「そうですか(無意味な相づち)。私、出掛けますので、
電話、もういいですか?・・・」
「あ、すみません。奥さん居ないのですか?」
「ええ、居ないです。急いでますので、切りますネ」
「すみませんでした。また電話させてもらいます」
で、やっと電話を切る。

約40分。
聞いてやれば納得するようだ。(聞いてないけど 笑)

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