小泉 毅・・・か

2008年11月23日 日常
「毅」
これを何と読むか、知ったのは小学生の頃だ。
ただし、たけしではなく「つよし」と読む。
近所に棲息するオッサンの名前だ。
毅は、当時18歳ぐらいだった。
こやつが、その母親と一緒に怒鳴りこんできた時、
私は12歳だった。
ヤツは私の父の胸ぐらを掴み、「殺すぞ」と言った。
ヤツの母親も同じように喚いていた。
父は、落ち着いて何やら説明していたが、
私は父が殺されると思い、ヤツに掴みかかったら、
「ガキは引っ込んでろ」と顔を殴られた。
それを見た父は、私をかばいながら
「子供に手を出すな」と怒った。
私が鼻血を出して倒れたのを見て
ヤツとヤツの母親がひるんだのだろうか。
それとも父の剣幕に圧倒されたのか、
なぜか捨て台詞を吐いて帰って行った。
そしてすぐ、近所のオッチャンがやってきた。
母が助けを求めに行ってたのだ。
オッチャンは、
「あんなキチガイ、相手にしたらアカン」と言ってた。
父が、ヤツラが何故、怒鳴り込んできたか、おっちゃんに説明してた。
「おれんとこの田に、しょっちゅうゴミを捨てるから、文句を言うたら怒鳴りこんで来よってん」
ヤツの家は、田んぼに隣接していた。
父は、誰がゴミを捨てるのか知らなかったが、その日、
ヤツの母親がゴミを捨てるところを見て、注意したらしい。
その逆恨みだろうと子供心に思った。
が、事情は少し違っていた。
ある晩、話しを聞き付けたKさんがやってきて、
ヤツの家のことを話してくれた。
ヤツの家は、私ところの田とKさんの田の境界になっている畦道を通らないと辿り着けないようになっている。
その為、ヤツの一家は、その畦道を広げるつもりだったらしい。
現に、Kさんの田にもゴミや土を置いてるらしい。
それを、Kさんも注意したら、同じように怒鳴り込まれたと言うのだ。
でも、父もKさんも、注意以外の何もしなかった。
その時、ヤツの一家は近所の嫌われ者、ヤクザモノとして、
見られていることを知った。
私が社会人となり、父から、その田を譲ってもらうと、
すぐ事務所を建てた。
建物を建てる時も、建築現場に数回、文句を言ってきたが、
私は無視していた。
出来上がって、事務所に看板を出してからは、
何もなかったが、どういうわけか、
Kさんの田は、ヤツの家のものになっていた。
Kさんが亡くなってからKさんの息子に聞いたら、
ヤツの一家に度々脅かされて、土地を安く買い取られた
と言う。
それから、ヤツの周囲に住む人たちと会うたびに
いろんなトラブルを聞かされるようになった。
私は、周囲に不快な思いをさせるこんな一家は、
近所にいるのは困ったものだと思った。

ーーー明日(今日)の朝、旅行に出るので省くがーーー

それからしばらくして、ヤツの両親が、ほぼ同時に死んだ。
ヤツの嫁と息子は気が変になって精神病院に入院している。
娘は、嫁いだが出戻りで一旦帰ってきていたが、
3年ほど前から姿を見ていない。
ヤツは一人で、今んとこ、大人しくしているが、
相変わらず近所付き合いが無く、しかめっつらをしながら、
Kさんの田だったところに
野菜や草を植えて元気にしている姿を時々みる
もう60歳半ばだ。
ヤツの両親より長く生きてる。
もう、いいでしょう・・・と、思う。

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