もう10年以上になる
もう10年以上になる
この日記を初めてから、ずいぶんの年月が過ぎた
10年ひと昔。
振り返れば、たくさんの人の日記を読ませてもらった。
最初は、「ヒマなことしてるなぁ」と自嘲していたが、
いろいろと楽しいことが、いっぱいあった。

愛おしい人や楽しい人、幼稚な人や賢い人、
博学な人や無恥な人、淋しい人や陽気な人などがいて、
つまらんドラマを見るよりも、おもしろかった。

中には悪意を持った人もいて、誹謗も中傷もあった。
だから、自分の恥はできるだけ晒さないように気をつけて書かないようにした。
だが、そんな上辺ばかり書いていると何か空しいものを感じ、
孤独に陥ってしまうように思った。
孤独も嫌いじゃないが、相手の本音も読み取れなくなってしまう。
日記に書かれていることの少し内側まで知りたいと思った。
リンクを外したり、ワケもわからずリンクを外されたことも沢山あった。
本音を書いている人が好きだった。
罵声や幼稚な言葉しか書かない人は、好きになれなかった。
リンクをしたまま、ここから去った人も沢山いた。(リンクされたままだ)
私からリンクを外した人の中には、言葉を交わすうちに関係を持った人もいた。
この人たちは、すでに相互リンクは外れているが、今でも時々、
訪れてくれているのがわかる。
とにかく私は、このDNでも、いろんなことを教えてもらった。
また逆に、いろんなことを教えてやりたいと思った人もいる。
愛おしいほどに、私が通りすぎた道と同じ道を歩んでいたからだ。
拙い?経験ではあるが「亀の甲より年の功」程度のアドバイスを
してやりたいとも思った。
でも、文字だけでは、得てして誤解を招く場合が多いと思い、
慎重になってコメントを控えてしまっている。
(気分の良い時と酔っ払っている時は、うっかりコメントしてしまうけど)

今現在リンクさせて頂いている方々は、皆、私好みの人だ(当然だわなぁ)
・翻訳調だけど、ヘタな翻訳文を読むより余程楽しい達文の人
・少し斜めかも知れないけれど一途に平和と正義を願う真摯な人
・ほとんどグチばかりだけど(ゴメン)、気の良い人
・失敗ばかりと嘆きながらも逞しくて明るい人
・ウサばらしもしながら、なんでもズバッと毒舌混じりで切り裂く人。
・スポーツも子も孫も大好きな人生を達観している人
・宿命に挫けることなく未来を信じようとしている人
・溢れるような優しさを短い言葉に凝縮している人
・若くて可愛い香りのする人
・優雅でスマートに恵みを享受している人
・身の不幸を諸共せず乗り越えようとしている人
・ただ一途に一人の人を愛している人
・上手に遊んで仕事も恋もセックスも充足している人
・その他にも私の心の琴線に触れてくれたり、
・未知の事物を指し示してくれる人たちがいる。

共通しているのは、
生意気な言い方で申し訳ないが、皆、可愛いくて優しい。そして明るい。
そういう人たちばかりにリンクさせて頂いているつもりだ。
そして本当に「ありがとう」と言いたい。

・・・・・・・・・・

前置きが長くなったが(えっ?)
では、本題に入りたいと思う(これからかい!)

いろんな人に沢山のことを教えてもらって、参考にしたり、
経験したりしているが、
つい最近も、ある人が「あらしのよるに」を読んで
感想を書いておられた。
私は、それが元々は子供向けの絵本であって、映画化されたことも知らなかった。
しかし、いつものように、すぐ取り寄せて(感想に感動したから)、
そしていつものように、すぐ読まずに積んであった。
(やさしい文章だけど長編小説となっていたから)

2月に入ってから少し嫌なことが続いていた。
それは、ほんの些細なことだった。
だが自由で気ままな私にとっては、ちょっとしたストレスとなって、
深々と降る雪のように解けずに溜まっていたのかも知れない。

10日を過ぎたある日、
ある団体の役員さん(男)が私の家にやってきた。
電話で済む話だったのだが、たまたま私も女房も留守にしていたのと、
女房が留守番電話の設定を解除したままだったので、いくら呼んでも
出ないから、わざわざ家までやってきてくれたのだ。
要件は簡単だった。
・毎年、我々の団体の婦人部だけの旅行がある。
・その行先を決める会合を2月の17日の午後にすることになった。
・それは、会員全員で決めるのではなく、役員の奥さん(6人)だけで
・相談して決めることになっている。
・場所は、最近、近くにできたケーキ屋で、お茶でも飲みながら・・・、
・ということで、奥さんによろしく伝えておいて。

私は、その場で「女房は仕事で行けないかもしれない」と、やんわり断った。
その役員さんは「え?奥さん仕事してんの?」と聞くので、
えぇ、まぁ~、派遣ですけどね、と曖昧に返事をすると、
仕事だったら仕方ないけど、できるだけ行くように言っておいてと、
私の女房の仕事のことも詳しくも聞かず、サッサと帰っていった。

女房の仕事は変則的になっていて、17日に仕事が入っているかどうか
知らなかったが、私は女房の返事を知っていた。

役員さんが帰ってから暫くして女房が帰ってきた。
答えを知っていて、話をするのも嫌だったけれど、
とりあえず、先ほどの役員さんからの話を伝えると、
間髪いれずに返事が返ってきた。
「行かないわよ」
「えっ!、仕事なのか?」
「仕事じゃない。休みだけど、行かないわ」
それ以上の会話をしても無駄なのは、お互い知っていた。
話しは途切れた。

返事は、わかっていたけど、今まで溜まっていたストレスと共に
私の心に雨雲のようなが真っ黒いものが垂れこめてしまった。
それからは、必要以上に無口になり、声も小さくなってしまった。
ちょうど拗ねた子供のように。
女房が「どうしたの?どっか悪いの?元気ないようだけど・・・」と聞いても
「なんでもない」と小さく答えるだけにした。
心の雨雲は、今にも雷を落とすぐらいに膨らんでいた。
そしてその夜、私は、吐き出すように女房に一言だけ言った。

「明日から、旅行に行ってくる」
女房も「ハイ」と返事をしただけだった。

それから慌てて行先を決めて、天気予報を調べたり
旅館や観光地、電車やバスの情報などネットで調べた。
何泊するかは決めなかった。

次の日の朝、「いつ帰ってくるの?」と聞いてきたが、
「わからん」と返事をしたら
「ごゆっくりどうぞ」と見送られた。
振り返らなかったので、女房が舌を出しているのか、
それとも、悲しみをこらえて無理に笑顔で見送っているのか
わからなかった。

私は悲しかった。
何十年も連れ添って、ある時からケンカもしなくなって、
お互いをわかりあおうとしながら、干渉もしなくなった。
それで良いと思っていた。
しかしまだ、お互いに解り合えていないことが悲しかった。

私は、そんな気持ちを抑えながら何ごともなかったように
近くの駅に向かった。
いつもの小さなバッグに「あらしのよるに」の本を入れて。


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